農業を取り巻く環境は、依然として厳しい状況が続いております。農業就業人口の減少・高齢化、生産基盤の縮小、資材や燃料の高騰、気候変動に伴う異常気象の激甚化、さらには国際情勢による輸入資材依存リスクの顕在化など、本町農業においても例外ではない課題が山積しております。また、食料自給率の低迷や流通コストの上昇は、日本の食料安全保障に対して新たな不安を投げかけており、生産現場の維持・発展に向けた確かな支援体制の確立が求められております。
国政においては「食料・農業・農村基本法」の改正を背景に、食料安全保障の強化と持続可能な農業の推進が重要課題として掲げられており「危機対応」と「成長戦略」を同時に打ち出す点が特徴であり、食料安全保障を国家戦略に格上げしつつ、農業を「稼げる産業」に変えることを目指しています。但し、農家の所得安定や担い手不足への対応が十分かどうかは今後の大きな焦点となります。こうした政策動向と情勢変化は、地域農業の担い手不足や経営コスト増に直面する本町農業にとっても大きな節目となるものであり、地域実態に応じた独自の対策と、国・道の施策を適切に活かした総合的な営農支援が必要となってきます。
営農面では、最近の気候変動リスクの高まりを踏まえた技術指導の強化を図り、高温障害・干ばつ・病虫害などへの対応力を高める必要があります。その一つとして、土壌基盤を向上させ、気候変動下でも安定した生産が出来るよう、国営事業に続く新規道営畑総事業を令和9年及び令和11年の採択に向けて計画を進めて参ります。
通信不感地帯施設設備事業については、令和5年度から6年度の2ヵ年に亘るモデルエリアでの効果実証試験を行い、令和8年度より本事業を取り進める運びとなりました。事業参加利用者の意向を確認しながら進める事となり、事業運営期間を令和8年度から令和9年度の2ヵ年として実施して参ります。通信不感地帯が解消されることで、圃場内での通信環境が飛躍的に改善され、スマート農業機器の活用が大幅に進展し、これらの機器が安定して稼働する事で作業精度の向上、作業時間の短縮、資材投入量の最適化など、生産性向上に直結する効果が期待されます。
第10次農業振興計画・中期経営計画の3年目の実践にあたり、重点施策班毎の検証結果に基づいた取り組みを着実に深化させるため、次なる展開へとつなげる重要な一年となります。力強い農業を目指す上では、近年の異常気象に対応した土壌環境の整備、労働力不足を補うための津別町農業総合サポート事業の充実、地域計画よる農地集積の効率化など関係機関と協力しながら組合員の生産意欲が高まる運営を実施して参ります。
施設投資計画では、近年の高温により小麦の登熟が早まり、適期収穫の期間が短くなっていることから、収穫作業の処理能力を高める目的として中古コンバインの増車他、総額101,980千円を計画致しました。
JA運営面では、組織力の向上として、職員の能力強化・資格取得支援など安定的かつ質の高い事業運営を支える人材基盤を確立し、働きやすい職場環境整備、業務のデジタル化による効率化、内部統制やコンプライアンス強化など、組織の健全性・信頼性を高める取組を積極的に進めて参ります。更には、経費の見える化と適正管理を徹底し、将来を見据えた計画的な施設投資を進め経営基盤の安定と健全性を目指し、組合員から信頼される組織運営を進めて参ります。
以上のとおり、本年度は国内情勢の変化と政策の方向性を踏まえつつ、地域農業の未来を見据えた持続可能な仕組みづくりを進め、組合員・地域住民・職員が一体となり、地域に求められ続ける協同組合としての役割を果たすべく、着実な事業.展開を進めて参りますので、組合員皆様のご理解とご協力を賜りますことをお願い申し上げ、基本方針と致します。
◎本年度の最重要点課題