世界的なコロナ感染拡大やウクライナ侵攻の影響による穀物価格や生産資材の高騰の中 で、食だけでなく農を取り巻く危機は現実化しています。将来にわたる食料の安定供給を確保し、世界の食料需給を巡るリスクの顕在化に対応するため、食料安全保障の強化に向けた大胆な対策を拡充・強化する必要があります。食料安全保障予算を新たに確保し、農林水産関係予算全体を増額する事を求めなければなりません。
農政の憲法とされる食料・農業・農村基本法の検証と見直しが進められている中、生産費を考慮した再生産に配慮された適正な価格形成の在り方の検討はどうしても必要であり、合理的な価格形成に向けた政策や仕組みを考える必要があります。又、中山間地帯等をはじめ農村の多面的機能支払いや環境保全等の直接支払いの拡充も含めて、改めて「みどり戦略」が目標に掲げる2050年、数十年先を見据えた農業政策の確立に見合う見直しが必要であり、中小家族経営や多様な担い手のニーズを把握し、きめ細かな取り組みと農業との関わり方を含め総動員で農地を守っていかなければ、持続可能な農業を描く事はできません。
本年は第30回JA北海道大会の実践2年度目となり、組合員との対話の充実を基本に、 顕在化している課題等について取り組んで参ります。又、人づくりがJA運営の基本的活動であることを再確認し、改めて協同組合の本質や協同活動の意義の理解促進等、目指す人材像の実現に向けた環境づくりに取り組むとともに、財務収支シミュレーションをもとにした収支改善サイクルの実践により、持続可能な経営基盤の確立強化に取り組んで参ります。
町内通信不感地帯解消に向けた事業では、農水省の情報通信環境整備対策として本年2,700万円の簡易施設を10割補助事業で実証し、今後の施設整備等について受益者や関係機関で十分な協議を取り進めて参ります。
第9次農業振興計画・中期経営計画の最終年の実践として、MR (マシーネリング)の農作業受委託仲介業務を柱に、利用事業として新たに甜菜コントラクター事業や労働力需給調整とスマート農業関係について引き続き取り進めて参ります。小麦調整施設の大規模改修は補助事業により令和6年度の稼働に向け実施し、事業量拡大に向けた推進を図って参ります。国営農地再編整備事業は令和6年度事業完了に向け引き続き休耕施工を含め推進協議会での取り進めにご協力をお願い致します。合わせて全地域での次期道営畑総事業の計画を取り進めて参ります。又、2年目となります新規道営畑総事業の今後の施工等について事業促進期成会での取り進めにご協力をお願い致します。鹿防護柵設置事業については、対策協議会が事業実施主体となり補助事業を活用した早期実施に向け、各地域組織体制や猟友会との連携、町の受益者負担軽減措置の協議を取り進めて参ります。
令和6年度からの第10次農業振興計画・中期経営計画について、経営所得安定対策交付金や甜菜交付対象数量削減の影響による具体的な諸対策や各種大型事業等、次世代の多様なニーズに応えるべく事業の実現と持続可能な安心した安定経営を図る上では、JAの財務基盤強化と経営健全化が必須の事から、営農指導賦課金・料金料率・利用料等の見直しについて、本年度、組合員との十分な協議を実施して参ります。
JA 運営面では、総合事業体として体制整備の厳格化や持続可能なJA 経営基盤の確立に向け、内部統制の強化に引き続き取り組み、職員の人材育成や事業利益確保による事業分量の配当、リスク体制強化に向けた財務基盤確保と法令遵守態勢強化の取り組みなど、健全な経営統制の確立を進めて参ります。
施設計画では、鉄コンテナ等、総額37,525千円を計画致しました。 本年の役員改選にあたり、常設機関の「役員推薦会議」より推薦を頂いた方を候補者として提案致します。併せて常勤理事体制は使用人兼務理事として参事を置く事と致しますので、ご理解をお願い致します
以上、本計画に基づき協同組合の理念と精神を事業の拠り所とし、役職員一丸となり事業推進に取り組んで参りますので、組合員皆様のご理解とご協力を賜りますことをお願い申上げ、基本方針と致します。